質問
試合中に、後ろに追い込まれてクリアがしっかり奥まで飛ばせずそこから決められてしまいます。どのようにしたらいいですか?(中学生女子選手)
回答
こんにちは。
バドミントンコーチの齋藤(@usagi02_soushi)です。
先日このようなご質問をいただきました。
きっとご質問者様は「追い込まれた時にクリアーはどうやって飛ばせばよいか」
ということを聞きたかったのではないかな?
とも思うのですが、今回は上記のようなご回答をさせていただきました。
というのも、ご質問者様がジュニアの女子選手だったためです。
クリアーの飛ばし方よりも、試合での考え方を改善していく方が先決と考えました。
今回の考え方はとても大切なことですのでもう少し説明していきたいと思います。
【参考記事】クリアーの打ち方~飛ばすための3つのポイント~
現状把握
試合中に追い込まれてしまい、クリアーが奥に返せず攻めこまれる。
言い方を変えると
「クリアーが打てないほどに追い込まれている」
ということになります。
【クリアの基本】【バドミントン用語解説】クリアーとは
解決方法
クリアーが打てないほどに追い込まれている
ということから
解決策として考えられるのが
- 追い込まれた体勢からクリアーを打てるようにする
- クリアーが打てないほど追い込まれないようにする
ということです。
ジュニアの女子選手ということで追い込まれた体勢からクリアーを飛ばすには体格的な問題もあるのではないかと考え
今回はクリアーが打てないほどに追い込まれないようにする
というアプローチでいきたいと思います。
【フットワークも重要】ラウンド側「4つのフットワーク」のメリット・デメリット
ヒッティングの状態を整理
バドミントンでシャトルを打つ際の状態について整理していきます。
- 攻撃できる状態・・・狙って打てる。なおかつその次も狙える
- ラリーする状態・・・狙って打てるといえば打てる。色々打てるものの無理はできない(次が狙えるか微妙)
- 追い込まれた状態・・・打てる球が限られている。
ざっくりわけると上記のようになります。
できるだけ3の追い込まれた状態、つまり打てる球が限られた状態になりたくないわけです。
相手に次の手が読まれやすくなります。
つまり、3の追い込まれた状態にならないようにラリーをしたいということです。
【フットワークもセットで覚えよう】フォア奥『3つのフットワーク』使い分け方法とメリット・デメリット
ポイントは2番での選択
3の追い込まれた状況にならないようにするために重要となるのが
2の「ラリーする状態での選択」です。
2では追い込まれた状態(打てるショットが限られる)ではありません。
色々打てる状態ではあるのですが、次を狙うには体勢が不十分であったり、相手も良い体勢で待っていたりする場合が多い
そんな状況のときに、
自分が次に追いつけないようなスピードやコースの球を打ってしまったり
相手がカウンターを狙っているようなコースに甘い球を打ってまったりすると
次の球で自分が追い込まれてしまうリスクが高くなります。
追い込まれないようなラリーをする
2のラリーをする状態で無理して攻撃を仕掛けていくことで、自分が追い込まれてしまうリスクが高くなります。
まずは、いろいろ打てるときに、1の攻撃を仕掛けられる状態なのか、2の打てるけどリスクがある状態なのかを見極めましょう。
そこで、2のときに追い込まれないようなラリーをするということが大切です。
2の状態では、ストロークを選択する余裕があります。
この余裕がある状況でクリアーを奥まで打つことで追い込まれた状況になりにくくなるということです。
できる限り追い込まれた状態にならないようにしていくことです。
整理すると
クリアーが打てないほど追い込まれないようにするために、
- 1の攻撃できる状態なのか、2の打てるけど次が狙いにくいのか状態を見極める。
- クリアーが打てる状態のときにクリアーを使って体勢を整える。
ということです。
【クリアーの関連記事】ドリブンクリアーとハイクリアーの打点を比較
まとめ
コート奥に追い込まれてクリアーを打てない。
というお悩みについてお答えしてきました。
対処方法
クリアーが打てないほど追い込まれないようにラリーする
打つ際の状態
- 攻撃できる状態・・・狙って打ててなおかつその次も狙える
- ラリーする状態・・・狙って打てるし色々打てるものの無理はできない(次が狙えるか微妙)
- 追い込まれた状態・・・打てる球が限られた状態
気をつけるポイント
- 体勢が悪くないときに、1番の状態か2番の状態かを見極める。
- 2のラリーするときに、無理な攻撃を仕掛けて、自分が3番の状態にならないようにする。
- クリアーが打てる体勢の時にクリアーを打って体勢を立て直す。
- 追い込まれないようにラリーを展開する。
苦しい体勢からクリアーを奥まで飛ばすのは難しいものです。
もちろん、苦しい体勢からクリアーを飛ばせるように練習していくことも必要ですが、
ゲームに関しては追い込まれないようにラリーを展開できるよう練習していきましょう。
「バドミントンは人生そのもの」
ご質問ありがとうございます。
まずはできる限り追い込まれないようにすることです。
追い込まれてからハイクリアーで体勢を立て直すのはとても大変です。
追い込まれないようにする。というのはフットワークや反応を早くするということではなく、ラリーの組み立てを工夫します。
追い込まれる前の段階でクリアーを使って時間をつくり体勢を整えることがポイントになります。
追い込まれないようなクリアーの使い方を覚えていきましょう。