バドミントンでゆるガット@13ポンド!体験レポート
※2018年11月22日追記
こんにちは。
元バドミントン専門店店員かつ真面目でテキトーなバドミントンコーチ齋藤(@usagi02_soushi)です。
おかげ様で最近はフェイスブックやLINE@などでお問い合わせやご質問などをいただくことも増えてまいりました。
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最新情報のお届けや質問にも無駄に長い文章にてお答えしています(短い場合もありますよ)。
そんな中、今回いただいたのが『ゆるガット』に関するご質問。
質問内容は
「10ポンドや13ポンドなどのゆるガットが流行っていると聞きましたが、ゆるガットについてどう思いますか?」
といったような内容です。
私は日頃はヨネックスのBG66UMを25ポンドで張っておりまして
個人的には「ゆるくないガット」なので
これは
「試してみるしかない!」
と思い!試してみましたゆるガット!
ゆるガットレポートをどうぞ!
Contents
ゆるガットとは
おそらく定義はないのではないかと思いますが・・・
極端に緩く張ったガットのことを総称してゆるガットと呼ぶのではないかと思います。
ラケットには推奨張力が設定されています。
最近のラケットでは18ポンド~30ポンド前後の間に設定されているラケットが多いようです。
推奨が18ポンドからという中、13ポンドで張ってしまうだなんて。
まさにゆるガットですね。
明らかに推奨張力を下回っています。
「ゆるガットとは、明らかに推奨張力を下回って張ってあるガット」のこととしておきましょう。
ゆるガット張ってみました。
やはり試してみないことには何もわかりません!
そんなわけでゆるガットを張ってみました。
今回張るのは、レッドソンの+SHAPEというラケット!
このラケットはフレームがディンプル形状になっているラケット。
ディンプル形状とは、ゴルフボールにある小さいくぼみの形状のことで、これにより空気抵抗が軽減されスウィングスピードが高まるとか・・・
という話を始めるとゆるガットにたどり着けないので詳しくは
関連:レッドソン公式HP
にてご確認ください。
そしてそれに張るのはゴーセンのジートーン9!
ジートーンシリーズとは、独自のミクロフュージョン製法と、ディッピングの技術が・・・
はっ!!!
こちらも詳しくは
関連:ゴーセン公式HP
にてご確認ください。
さて、設定テンションは13ポンド
特に根拠はありません。
お問い合わせいただいた方がおっしゃっていたゆるガットが13ポンドだったのでとりあえずの設定です。
それではマシーンにセットして張っていきます。
さっそく張っていきます。
・・・。
予想通りですが・・・。
ガットが緩すぎて張りにくいです。
がしかし特に問題もなく。
「このテンションならラケットへの負担も少なそうだな」なんて思いながら進めること20分。
無事に張りあがりました。
手でポンポンしてみるとこんな感じ。
思っていたよりも良い音がします。
ちなみにG-TONE9の28ポンド
ファーストインプレッション
最初に打ったのはドライブ!
おまけ情報:なぜ基礎打ちで最初にドライブを打つのか
ゆるガットの感想は・・・。
「思ったより弾くなあ」
正直、予想としては全然弾かない、「バスンバスンの打球感」を予想しておりましたが(笑)
しっかりとした性能のラケットと、弾くストリングスであればテンションを落としてもシャトルを弾いて打つことができることがわかりました。
つまり弾くかどうかについては、「ラケットの性能×ストリングスの性能×張り手の技術」であることがわかりました。
その後、一通り基礎打ちを進めていきました。
各ストローク別ゆるガットの印象
ドライブ
予想よりもシャトルを弾いて打つことができる。
速いドライブを打つのはそんなに難しくないけど、ショートドライブを打つと飛びすぎてしまうなど、コントロールが難しい印象を受けます。
ドロップ
ストリングスとの接触時間が長いためカットの回転がよくかかる。
ドロップとくにカットは打ちやすい。
日頃の打球感と違うので違和感はあるけどつなぎ球のスピードを抑えてコントロールして打つには向いています。
ロブ
高く上げるロブは問題なく打てます。
低いロブを小さいスイングで打とうとしたとき「ゆるガット」の球持ちが発揮されるためタイミングの調整が必要。
タイミングを調整すれば打てるのだが、鋭いロブを「パチン」と打つ感覚とは異なるので気持ちよさは足りない感じがします(笑)
プッシュ&レシーブ
プッシュはドライブ同様、問題なく打てる。
プッシュレシーブでシャトルのスピードを抑えるのに慣れが必要。
シャトルのスピードを抑えてネットに沈めるときの力加減がなかなか掴みにくいです。
ストリングスがたわんでシャトルを飛ばしてしまうので、「あれ?飛びすぎた(笑)」みたいなことが発生しました。
クリアー
ん!?なんか飛ばない。
最初の印象はそんな感じでした。
打点をいつもより少し後ろに下げて、スイングスピードを抑えて、フォロースルー長めにとったら打てました。
一生懸命ラケットを振ると飛ばないので、ラケット面でシャトルを長く持って打つイメージで打つと打ちやすいですね。
スマッシュ
問題なく打てます!
しかし気持ちよくはない(笑)
また、押し込むようなスマッシュは打ちやすいですが、弾いて沈めるようなスマッシュには不向きですね。
ゆるガットの場合、スマッシュとカットのコンビネーションがポイントになりそうな気がします。
スマッシュレシーブ
ロングリターンは最初タイミングが合いませんでしたが、フォロースルーを長めにとるようにしてみるとタイミングが合いました。
多少差し込まれてもリターンできます。
鋭くリターンするというよりも、ゆったり大きく返すレシーブが打ちやすいです。
シニアでゆるガット愛好者がいるというのがわかる気がします。
レシーブで相手を後ろに揺さぶるのがやりやすいのだと思います。
ヘアピン
これが一番難しいです。
ストリングスのたわみでシャトルが飛んでしまうので微妙なコントロールが難しいです。
逆に、バドミントンでネットプレーのレベルが上がっていくとほんの少しの感覚を掴むにはハイテンションの方が繊細に打ち分けれるということがわかります。
もともとネットプレーが得意でない齋藤にはゆるガットでのヘアピンは難しかったです(笑)
ゆるガットのメリット
一通り打ちながら、ゆるガットのメリットは何だろうか。
ということを考えてきました。
私が考える「ゆるガットのメリット」はこちら!!
- 後ろへ打つ時にスイングスピードを上げなくても打てる
- 相手を後ろに押し込むプレーがやりやすい
- 相手を後ろに押し込むプレーの際に省エネでできる
- 肩や肘の故障リスクの軽減と筋肉疲労の軽減ができる
- 打球音が相手にわかりにくい
- ドロップ、カットでのつなぎが打ちやすい
- スマッシュが伸びてくるように感じる
- ガット張り替え代が節約できる
こうやって見てみると、シニアプレーヤーやレディースプレーヤーのプレースタイルには合いやすそうです。
ゆるガットのデメリット
- ネットプレーが難しい
- シャトルの勢いを殺して打つショットの感覚が掴みにくい
- 全体的にシャトルを打つ感覚がわかりにくい
- シャトルを短く触って打つショットが打ちにくい
- 手に伝わる情報が少ない
全体的なデメリットをまとめるとコントロールが難しいということです。
手に伝わってくる情報が少なくなるのでコントロールが難しく感じるではないかと思われます。
ゆるガットについてのまとめ
ゆるガットは長く球を出して戦う人向きです。
ロングリターンで相手を後ろ後ろへ押し込むプレーに向いているようです。
ただし、そのようなプレーに徹して戦うプレーヤーにとっては!という一言も付け加えさせていただきます。
つまりそのようなプレーを意図してできる、そのようなプレーでコントロールして戦うことができるレベルのプレーヤーということです。
シニアの上級者、レディースの上級者であれば効果を発揮するのでははないかと考えています。
逆に、手に伝わる感覚がわかりにくくなるという側面を合わせ持っているので打ち分けることが難しいというようなレベルのプレーヤーであれば、「適正なテンション」でプレーすることをお勧めします。
ここでの適正なテンションとは強打とゆっくりしたストロークのバランスが取れているテンションのことです。
バドミントンの上達にはラケット、ストリングス選び、そしてストリングスのテンション、さらにグリップのカスタマイズが大切であると考えています。
自分自身の課題が上達することなのか、大会で勝つこと、勝ちあがることなのかによって用具の選び方を考えていく必要がありそうです。
ゆるガット追記
なんとこの記事を公開したところ、ゆるガットの第一人者
でありバドミントンプロコーチの上地さんからご連絡いただきました!
(感動)
上地さんからゆるガットについてのお話をいただきましたので追記します。
ゆるガットの創始者?の上地です。実験&体験談楽しく読ませていただきました。
2年以上前からゆるガット愛好者の私から言わせていただくと
①プレストレッチを効かせた13ポンドは結構ゆるくない→もっと緩く張って且つ長い期間体験して欲しい
②ジュニアを除く若者はぜひ強めに張って戦って欲しい
③ゆるガットに慣れるとどんなショットも安定して打てる
という事です。私のような力の強くない中高年にはお勧めです。因みに私は5ポンドや7.5ポンドも体験してみましたがしっくり来なくて最終的に11ポンドに落ち着きました。
全文引用させていただきました。
補足ですが、今回私が試したものではプレストレッチはかけておりません。
それでもマシンの設定は11ポンドまで可能でしたので、11ポンドはチャレンジの価値がありそうです!
②と③の感覚は私が抱いたものと似たような感じで嬉しいですね♪
「バドミントンは人生そのもの」